自転車やバイク、自動車のテールランプ、道路標識などに使われている反射板。

それ自体は発光しませんが、ヘッドライトに照らされると光を反射して存在を知らせてくれて、私たちの安全を守ってくれています。

その反射板としてよく使われているのが「コーナーキューブ」と呼ばれる仕組みです。

反射板に求められる特性と、それを実現するコーナーキューブの原理を簡単に説明したいと思います。

単純な反射の場合

光を反射すると言えば、鏡がすぐ思い浮かびます。

ただ、鏡をそのまま設置しても反射板にはなりません。

単純に鏡を設置した場合

鏡は、光をほとんど吸収せずに反射します。

これは反射板としては好ましい性質ですが、単純に鏡を設置しても反射板としては使えません。

全反射

鏡に対して直角に当たった光は元の方向に反射されます。

しかし、直角ではない場合、光が入射した方向とは違う方向に反射されてしまうのです。

車のヘッドライトを反射させても、その車の方向には光が戻ってきません。

これでは車の運転者に存在を知らせることは無理です。

乱反射する反射板

表面に細かい凹凸がある場合、乱反射という現象が起きます。

鏡のように入射角と反射角が同じになるように反射するのではなく、光があらゆる方向に反射されるものです。

乱反射

これなら、どの方向から光が当たっても、一部は元の方向に戻ります。

全方向に反射するので、戻ってくる光は弱くなりますが、運転者に存在を知らせることは可能です。

運転者だけでなく、周囲にいる人みんなに光が届くので、そのような用途では反射板としてよく使われます。

カメラ撮影するときのレフ版もこのようなタイプの反射板です。

でも運転者に知らせるのであれば、もっと強い光が戻るようにしたいですね。

望ましい反射板

ヘッドライトが当たった方向に光が反射して帰っていけば、運転者に強い光が見えるので存在を知らせるには好都合です。

そのためには、どんな方向から光が入射しても、その方向に反射させる必要があります。

図にすれば、こんな感じです。

反射板

「そんな都合のいいことができるのか?」

と思われるかもしれません。

これを実現する方法のひとつがコーナーキューブと呼ばれるものです。

仕組みはいたって簡単です。

コーナーキューブの仕組み

道路の反射板

ふたつの反射板を90°で組み合わせてみます。

ここに光を当てると、二回反射して光が来た方向に戻っていきます。

二次元コーナーキューブ

これがコーナーキューブの仕組みです。

ですから、この直角の組み合わせをつなげることで、入射した方向に反射する材料をつくることができるのです。

反射板

めちゃくちゃ簡単です。

元の方向に戻ることの証明

直角に設置した板で光が元の方向に戻ることを確認してみましょう。

コーナーキューブ証明

光の入射角と反射角は同じです。

板に向かって入射角 θ1 で進入した光は、反射角 θ1 で反射されます。

ここで、光の進行方向は 2×θ1 曲げられます。

次の反射も同じように、入射角 θ2 なら反射角 θ2 で 2× θ2 曲げられます。

全体として、2×θ1+2× θ2 光の進路が曲げられるのです。

ここで上部のコーナー部分の三角形をみてみましょう。

板は直角に設置されているので、一番上の頂点の角度は 90° です。

三角形の内角の和は 180° なので、残りの頂点の角度 θ1+ θ2 は 90° になります。

光の進路は 2×θ1+2× θ2  曲げられているので、90×2=180° 方向を変えたことになります。

元の方向に戻ることが証明できました。

三次元に広げる

自動車の反射板

 

ここまでの説明は二次元的な話で、左右のどの方向からきた光も元の方向に反射するというものでした。

でも実際は、光は上下方向にも角度を持って入射してきます。

上下方向も入射してきた方向に反射させないといけませんし、斜めからの光も同じ方向に反射させないといけません。

そう考えると難しそうですが、二次元の場合と同様に単純な形状で実現できます。

コーナーキューブ

上に示したような形にすれば、どの方向から入射した光も同じ方向に反射させることができます。

「コーナーキューブ」という名前の通りキューブ状のものを敷き詰めた構造です。

この形で光を入射した方向に反射できることの証明まではしませんので、自信のある方は証明に挑戦してみて下さい。

もし機会があれば、反射板をよく見て下さい。

ほとんどの場合、コーナーキューブの形になっていますよ。

 

 

 

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