ガリレオ・ガリレイは、自然科学の父とも呼ばれる偉大な科学者です。

ガリレオが「実験」という手法を持ち込んだことによって、現代的な意味での「自然科学」が始まったと言ってもいいでしょう。

その実験の生みの親ガリレオが、実験データを捏造していたという疑惑があるのです。

実際のところ、どうなのでしょう。

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ガリレオの実験

捏造したかどうかを確認する前に、ガリレオが行った主な実験を挙げておきましょう。

ピサの斜塔の落下実験

ガリレオの実験で一番有名なのは、ピサの斜塔で行ったとされる落下実験でしょう。

重いものと軽いものが同時に落ちることを示して、思いものほど速く落ちるというアリストテレスの間違いを指摘しました。

≫≫ガリレオの落下実験 重いものも軽いものも同時に落下するのはなぜ?

ただ、この実験は本当に行われたのか定かではありません。

振り子の同時性の発見

ピサ大聖堂で揺れるシャンデリアを見て「振り子が振れる時間は一定」という「振り子の同時性」を発見したことも有名です。

同じ長さの振り子なら、振れ幅が変わっても同じ時間で振れるというものです。

それを確かめるために実験も行いました。

落体の法則

ピサの斜塔の実験は本当に行われたかどうか不明ですが、落体の実験は行っています。

球を斜面に転がすという方法です。

同じ大きさで重さの違う球を同じ斜面で同時に転がして、その速度を比べたのです。

実はガリレオの落体に関する主張はこれだけではありません。

球を斜面に転がすとき、速度がだんだん上がっていくことを見つけました。

そして、「物体の位置は時間の二乗に比例して変わる」ことを見つけました。

「放物線を描く」みたいな感じです。

これもガリレオの落体の法則と言われるものです。

捏造と言われる訳

とりあえずピサの斜塔の実験は置いておいて、他の実験をみてみましょう。

まずは、振り子の同時性の実験です。

振り子の同時性

別記事でも書いたのですが、振り子の同時性を示す実験は簡単なことではありません。

≫≫時計を変えた振り子時計 周期運動で時を刻んだ結果

何しろ、時計がない時代です。

一番精度が高い時計が日時計で、時間の単位も「分」はまだ使われていなかったのです。

1時間を測定するだけでも誤差だらけで、それより短い時間など測りようがありません。

その時期に、ガリレオは自分の脈拍などを基準に「振り子が振れる時間が一定」だという結論を導いたのです。

ちょっとあやしくなってきました。

そう言い切れるだけの精度で実験ができたのでしょうか?

一定だという思い込みが実験に影響することはなかったのでしょうか?

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落体の法則

振り子の同時性は、まだましです。

落体の法則になると更に苦しくなります。

斜面に球を転がせば、だんだん速度が速くなるということはわかるでしょう。

ただ「物体の位置は時間の二乗に比例して動く」ことまで実験でわかるものでしょうか?

斜面を転がす実験は、今でも学校でよく行われます。

斜面に印をつけ、球が印のところに来るまでの時間を測って、時間と印の位置をプロットすると時間の二乗に比例するという実験です。

この実験ではストップウォッチを使います。

それでも誤差が出てきちんと二乗にならないくらいです。

ガリレオは、ストップウォッチどころか時計もない時代に「物体の位置は時間の二乗に比例して移動する」と結論できるだけの実験ができたのでしょうか?

正直、無理でしょう。

ガリレオは捏造したのか?

データ

当時の技術で「時間の二乗に比例する」といえるだけの実験を行うことは、ほぼ無理です。

とすれば「ガリレオはデータ捏造した」と言えないこともありません。

ただ、それは現代的な視点での話です。

ガリレオは、科学に実験という手段を導入した人です。

その後に、実験の誤差の見積もりや任意性の排除など、「実験の方法論」は進化していきます。

その方法論に従えば、かなり意図的な捏造かもしれません。

しかし、初めて実験を導入したガリレオに、現代的な実験の方法論を期待する方が間違っているのではないでしょうか?

「ガリレオが行った実験から結論を出す過程には問題があった」かもしれませんが、それを捏造というのは違うと個人的には思っています。



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