「来月の1日は、うるう秒で8時59分60秒の1秒が追加されます 」

そんなニュースを聞いても、ピンとこない人も多いのではないでしょうか。

「うるう秒って一体なんのためにあるのか?」知ってるようで知らない、うるう秒の秘密をできるだけ簡単にわかりやすく説明してみます。

そして気になる次回のうるう秒はいつになるのでしょう?

その答えも、うるう秒とは何かという問いに隠されています。

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うるう年とは全く関係ない

まず最初に、名前は似ていますが「うるう年」とは、全く関係ありません。

うるう年は、1年がぴったり365日ではなく、365日と6時間くらいなので、その調整の意味で設けられたものです。

このことは紀元前のはるか昔から知られていたことで、近年になって定められたうるう秒とは完全に別ものです。

うるう秒と何か

一日の始まり

うるう秒とは何かを理解するには、一日の長さについて考える必要があります。

少し遠回りかもしれませんが、簡単なので順を追って説明します。

1日の長さとは?

朝、太陽が昇って、昼間に一番高くなって、夜に沈む、このサイクルが1日です。

これは地球の自転によるものです。

地球が1回転するのにかかる時間が1日の長さで、1日は24時間、1時間は60分、60分は60秒、1日は86,400秒です。

1日の長さの測定

技術が進歩し時計の精度が高くなると、1日の長さが変動していることがわかってきました。

とはいっても、1日で数ミリ秒(1秒の1,000分の1)程度のわずかな変動です。

「今日は、86400.002秒だった」という感じです。

現在では(50年以上前から)精度の高い時計を使って天体を観測することで、そのわずかな変動を常に測定するようになっています。

原子時計の登場

1900年代半ばに、精度の高い「原子時計」が実用化されました。

よく使われているセシウム原子時計は、1億年に1秒くらいの誤差だと言われています。

これにを使って1日の長さを、1ミリ秒(1秒の1,000分の1)くらいの誤差で測れるようになったのです。

そして、原子時計を使えば、時間を正確に表すことができるので、1967年には時間(秒の単位)は、セシウム原子を使って表すことに決まりました。

国際原子時とは何か

そして、時刻も原子時計を使って決めるようになりました。

これを「国際原子時」と呼びます。

位置情報を取得するGPS(グローバル・ポジショニング・システム)では、この国際原子時が使われています。

1日の長さは常に変動している?

1日の長さは、変動を続けています。1年とか数年の周期で、1ミリ秒とか2ミリ秒の違いがあるのです。

そのため、国際原子時と天体観測で測定した時間には、どうしてもずれが発生します。

このずれは、大気と地表の摩擦などによるもので、気候などにも左右されるので全く予測ができません。

これを放置しておくと、だんだんずれが大きくなって、そのうち「12時なのにまだ日が昇ってこない」なんてことにもなりかねません。

そこで、地球の自転で決まる時刻と原子時計での時刻が0.9秒以上ずれそうなときに、修正をかけることになっています。

これが「うるう秒」です。

うるう秒は、地球の自転を表す「時刻」と、時計が測定する「時間間隔」とのずれをリセットする「時刻合わせ」と思えば、わかりやすいかもしれません。

このことは別記事「時間と時刻の違いとは?時計とともに進化した時刻の歴史」で説明していますので、参考にして下さい。

うるう秒で補正した時刻は「協定世界時」と呼ばれ、全世界共通の標準時刻になっています。

ちなみに、これまで37回のうるう秒の挿入があったので(2019年4月現在)、 協定世界時は国際原子時より37秒遅れています。

で、次回のうるう秒はいつ?

時間

という訳で、

次回のうるう秒は「協定世界時」と天文学的な時間が、0.9秒 以上ずれそうなときに発生します

それがいつになるのかは、地球の自転速度の変動次第です。

次回のうるう秒がいつになるかはわからない」のです。

最近の傾向としては、数年に一度うるう秒が挿入されています。

うるう秒が挿入される日は、日本時間で 1月1日か7月1日(が第一候補)だと決まっています。

ですので、もう少し絞ることができます。

次回のうるう秒は、ここ数年内の1月1日か7月1日になります。

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逆うるう秒が発生することはないのか?

地球の自転速度がばらつくのなら、自転が速くなることもあるはずです。

すると 1日が86,399.998秒というように、86,400秒より短くなります。

そうなったら、うるう秒として1秒足すのではなく、1秒引かなければならなくなるはずです。

その場合には、8時59分59秒がなくなるという「逆うるう秒」で対応すると、一応は決まっています。

しかし、現在まで逆うるう秒は一度も発生していません。

数か月単位では、1日が短いということもありますが、平均すると1日は86,400秒より長くなっているのです。

これは、最初に原子時計で1秒を決めたとき、今より1日が短かったことが主な原因です。

その後、色々な論争があり、ある程度は調整されてきたという歴史がありますが、当分は今のままで、逆うるう秒が発生する可能性は少ないでしょう。

最後に

うるう秒は、地球の自転速度よりも正確に時間を測ることができるようになったために発生した比較的あたらしい概念です。

スマホやパソコンなどネットワークを使っている機器や、電波時計などでは自動的に修正されるので、実生活には大きな支障はありません。

過去には、コンピューターシステムに異常が起きたこともありますが、最近では対策が進み大きなトラブルもなくなってきました。

とは言っても、うるう秒の処理は煩雑で、どこでトラブルが起こるかわかりません。

そのため、うるう秒を廃止するという案も出ていて、実際に検討されています。

うるう秒を完全に廃止すると、「太陽が真南にあるときが正午」という従来からの時刻とは少しずつずれていきます。

その結論は、2023年の世界無線通信会議(WRC)で出る予定ですが、一体どうなるのでしょう。


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