新しいエネルギー源として期待されているメタンハイドレート。

そのメタンハイドレートが地球温暖化に大きく関係していることを知っていますか?

過去に地球を襲った気候の大変動はメタンハイドレートが原因かもしれないとさえ言われているのです。

なぜ、メタンハイドレートが地球の気候と関係があるのでしょうか。

メタンハイドレートと温室効果

メタンハイドレートは、水でできた籠の中にメタンガスが閉じ込められたものでした。

≫≫メタンハイドレートとは 日本を資源大国に導く?不思議な物質

低温、高圧の条件以外では、籠が壊れてメタンガスが発生します。

メタンガスは温室効果ガス

このメタンガスは、温室効果を示します。

これがメタンハイドレートと地球温暖化が関係する要因です。

それも、メタンガスの温室効果は、二酸化炭素の25倍という強いものです。

≫≫温室効果ガスとは? 二酸化炭素以外にも地球温暖化の原因になる気体が

メタンハイドレートの量

メタンハイドレートの存在量について、前記事から引用してみます。

地球上にあるメタンハイドレートの量は、まだよくわかっていませんが、炭素に換算して10,000 ギガトンともいわれています。
石炭、石油、天然ガスなどの在来型化石燃料の約 2 倍、大気中にある二酸化炭素の20倍、海水に溶けている二酸化炭素の3分の1というとてつもない量です。
メタンハイドレートとは 日本を資源大国に導く?不思議な物質

大気中にある二酸化炭素の20倍です。

そして、その影響は二酸化炭素の25倍(9倍)です。

(9倍)と書いた理由は下の注釈をご覧ください。

メタンの量と温暖化係数

ちょっとミスリードさせる書き方になっているので、注釈をしておきます。
メタンハイドレートの量が大気中の二酸化炭素の20倍というのは、炭素換算です。
二酸化炭素もメタンも炭素をひとつ持っているので、モル数で20倍です。
これに対して、温室効果の強さを表す温暖化係数は、同じ重さで比べたものです。
メタンは、同じ重さで比べると二酸化炭素の25倍ですが、同じモル数で比べると9倍程度になります。

メタンハイドレートの役割

地球温暖化

メタンハイドレートは、温室効果を示すメタンを固定化して、大気に放出されないようにしているのです。

もし、大量のメタンハイドレートが一気に壊れると、地球温暖化が進むかもしれません。

そのため、メタンハイドレートをエネルギーとして使う場合にも温暖化を心配する意見があります。

その意見をふたつ紹介しましょう。

メタンハイドレート慎重派

メタンハイドレートの利用は慎重に行うべきという主張です。

「メタンハイドレートの採取に失敗すると大量のメタンが発生するので、エネルギー源として採取すべきではない」

と地球温暖化を招く危険性を指摘しているのです。

「採取すべきではない」は極端な意見ですが、積極的な利用は控える方がいいと言われると「そうかもしれない」と思ってしまいます。

メタンハイドレート利用推進派

逆にメタンハイドレートを積極的に採取すべきと主張する人たちもいます。

「メタンハイドレートは何らかの要因でメタンが大量に発生する可能性がある不安定な物質なので、採取して安定に管理するべき」

という意見です。

エネルギー源としては採算が合わなくても、地球温暖化を防ぐために積極利用する方がいいと言われると「そうかもしれない」という気になります。

正反対の意見ですが、どちらも地球温暖化を防ぐことを目的にしていて、主張も一理あるという不思議な状態です。

「おまえはどう思っているんだ?」と聞かれても「わからない」と答えるしかありません。

メタンハイドレートと気候の関係

メタンハイドレートは、自然に生成するものなので昔から地球の気候に影響を与えてきた可能性があります。

そのことについて触れてみましょう。

二酸化炭素と温暖化

メタンハイドレートの話に入る前に、二酸化炭素について考えてみます。

二酸化炭素は水に溶けるので、地球上にある二酸化炭素の大部分は海に溶けています。

温度が上がると、二酸化炭素の溶解度は低くなります。

温暖化で気温が上昇すると、海水溶けていた二酸化炭素が大気に放出されるのです。

二酸化炭素の影響で温暖化し、温暖化によって更に二酸化炭素が増えるという悪循環がかかかるのです。

ただし、二酸化炭素の場合は、二酸化炭素を固定化する(サンゴが炭酸カルシウムにするなど)こともあるので、一概には言えないところもあります。

メタンハイドレートはどうか?

メタンハイドレートはどうなのでしょうか?

メタンハイドレートは低温、高圧の状態でなければ存在できません。

ですから、温暖化によって海水温が上がるとメタンハイドレートが壊れてメタンガスを排出するという悪循環を生み出します。

また、永久凍土の下にあるメタンハイドレートも、凍土が融けるとメタンガスになります。

二酸化炭素と違ってメタンの固定化はほとんど起こらないので、悪循環だけが目立つはずです。

そうなると、一気に温暖化が進む可能性があります。

※温暖化によって海水面が上昇して海底の圧力が高くなってメタンハイドレートが存在できる範囲が広がるという主張もあります。

メタンの寿命と気候変化

メタンガスは、大気中での寿命が約12年と比較的短いものです。

過去に地球で起きた気候の大変化のうち、一気に気温が上昇し比較的短い時間で元に戻るタイプの変動はメタンハイドレートが原因だとも言われています。

大量に存在することが確認されてから間もないメタンハイドレートが、これまでの地球の歴史を左右してきたのかもしれないのです。


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