みちびきについて 日本だけのGPS? 準天頂衛星システムとは

「みちびき」は、宇宙開発戦略推進事務局が打ち上げた日本のGPS衛星とも呼ばれている人工衛星です。

しかし、アメリカのGPSやロシアのGLONASSが、「全球測位衛星システム(GNSS)」と呼ばれるのに対し、みちびきは「準天頂衛星システム」と呼ばれていて、両者には大きな違いがあります。

そこで、みちびきの特徴や利点をGPSと比較しながら説明してみます。

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通常のGPS(GNSS)衛星について

GPSもみちびきも、衛星から信号を発信して、それを受信して位置を割りだすという仕組みは同じです。

しかし衛星の軌道に大きな違いがあります。

まずは、普通のGPS衛星から説明してみましょう。

通常のGPS衛星は「全球測位衛星システム(GNSS)」と呼ばれています。

GPSという名前は、アメリカが運用しているGNSSの名前ですが、世界で最初に使われたためGNSSのことをGPSと呼ぶこともあります。

「全球測位衛星システム」は、地球全体をカバーすることを目的としているので、この名前がついています。

≫≫GPSとは何? その仕組みをわかりやすく解説してみた

GPS衛星の軌道

GPS衛星は、12時間で地球を一周する軌道を回っています。

地球は24時間で自転しているので、GPSの一周とと地球の一周はずれています。

地球から見ると、GPS衛星は24時間で一周するように見えて、地球の周りをくまなく回るようになっています。

GPSの軌道
提供:内閣府宇宙開発戦略推進事務局

準天頂衛星システムとは

これに対してみちびきは、「準天頂衛星システム」と呼ばれています。

目的は地球全体をカバーするのではなく、日本での位置情報に特化したものになります。

常に日本上空にいるのが理想なのですが(その場合は天頂衛星システム)、それは不可能なので、できるだけ長く日本上空にいるな軌道をとっていることから「準天頂衛星システム」と名付けられました。

静止衛星の軌道

静止衛星と呼ばれる衛星があります。

地上からは止まっているように見えるので、BSやCS放送に使われているものです。

静止衛星は、赤道の上空を地球の自転方向に24時間で一周する軌道を運行しています。

衛星が一周すると同じように地球も一周するので、いつも同じ位置にあるのです。

日本の上空で静止する衛星軌道があればいいのですが、静止軌道は赤道上空だけしか存在できません。

みちびきの軌道

みちびきも地球の自転方向に24時間で一周する軌道を運行しています。

でも静止衛星と違う点がふたつあります。

  1. 赤道に対して傾いた軌道になっている
  2. 楕円軌道を描く

ということです。

みちびきの軌道
提供:内閣府宇宙開発戦略推進事務局

ですから、地上からは日本とオーストラリアを8の字を描いて動いているように見えます。

また、日本上空で地球から最も離れ、オーストラリア付近で地球から最も近くなるような楕円軌道になっています。

そのため日本上空ではゆっくり動き、オーストラリア上空では速く動くことで、日本上空に留まる時間を長くしています。

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みちびきの利点

みちびきは、日本上空に長く留まる軌道を描いています。

地上ではビルなどの建物の影に入ると、斜め方向の衛星からの信号を受け取ることができません。。

その点、みちびきは日本の上空にいるので、影になることが少なく安定して位置情報を利用することができます。

現在、みちびきは4機稼働しているため、常に日本上空に衛星があります。

そして、アメリカのGPS衛星と互換性がある信号を使っているので、GPS衛星の情報にみちびきの情報を合わせることで、位置精度が高くなるのです。

提供:内閣府宇宙開発戦略推進事務局

みちびき対応製品

主要なスマホやカーナビは、すでにみちびきに対応しています。

例えば iPhoneでは、iPhone 6s、iPhone 6s Plus以降の製品は、みちびき対応済です。

”みちびきウェブサイト”に、みちびき対応製品リストが掲載されていますので参考にして下さい。

※対応済の全製品が掲載されているわけではありません。

みちびきの今後

2020年には、2010年に打ち上げられた初号機の継続機が打ち上げられ、そのあと3機を打ち上げて7機体制とすることが決まっています。

7機になると、GPS衛星がなくても、みちびきだけで位置を特定することができるようになります。

GPSは、本来が軍事用途のため、全世界を観測できなければなりません。

それに対して、みちびきは軍事用途ではなく純粋な位置測定システムなので、必要な部分をカバーするという発想で生まれた日本独自のシステムなのです。

画像出典:みちびきウェブサイト(https://qzss.go.jp/technical/technology/tech01_orbit.html


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