オゾンとは何か? 紫外線吸収の仕組みと生成法と危険性

強力な紫外線から私たちを守ってくれているオゾン層。

そもそもオゾンとはどんな物質で、どのような仕組みで紫外線を防いでくれているのでしょうか?

また、オゾン除菌やオゾン水など身近にあるオゾンの性質や危険性についても考えてみましょう。

オゾンとは

オゾンは酸素原子が3つつながった構造をした物質で化学式では、O3と表されます。

普通の酸素分子はO2なので、酸素より酸素原子が1つ多くなっています。

沸点が−111.9 ℃の気体で、オゾン臭と呼ばれる独特の匂いがします。

オゾンが紫外線を防ぐ仕組み

オゾンO3は紫外線によって、酸素分子O2と酸素原子Oに分解します。

そのとき、波長が320ナノメートル以下の特に有害な紫外線(UV-B、UV-C)を吸収してくれるのです。

そこで発生したO2とOは、自然に結合して元のオゾンO3に戻ります。

この反応を繰り返すことで、オゾンは紫外線を吸収するのです。

オゾンの生成

酸素分子に、強力な紫外線(波長242ナノメートル以下)や電子が当たるとオゾンが生成します。

オゾン層のオゾンは、空気中の酸素が上空で強い紫外線にさらされてできたものです。

このようにオゾンが自然発生する仕組みがあるので、フロンで破壊されたオゾン層が元に戻ることが期待できるのです。

身の回りのオゾン

私たちの周りの空気には、約20%の酸素が含まれているので、紫外線や放電があると、オゾンが発生します。

自然界でもオゾンは発生しますが、電気機器よってオゾンが発生するすることがあります。

特にコピー機や大型モーターでは、オゾン臭を感じるほど多くのオゾンが生成します。

オゾンの性質

オゾンは、強い酸化力(普通の物質の中では2番目に強い)を持っているので、酸化反応を促進します。

別記事『光触媒とは何か?効果や原理をわかりやすく説明してみた』で、光触媒が酸化反応を促進することを書きましたが、それと同じように燃える物質を燃やすような働きがあります。

光触媒は、細菌やウィルス、空気中の有害有機物質、においの元などを分解することを説明しましたが、オゾンにも同じ作用があるのです。

光触媒は光が当たっている表面だけですが、オゾンは気体なので空間に広がって全体で効果を発揮します。

オゾンの毒性

オゾンは強い酸化性があるため細菌などを酸化分解しますが、見方を変える人間を酸化分解することもあるとも言えます。

高濃度のオゾンを吸い込むと呼吸器系を中心に内臓がやられてしまいます。

高濃度のオゾンは猛毒なのです。

フロンとは何か? オゾン層を破壊した夢の化学物質』という記事で、発明者のミジリー はフロンを吸い込むというパフォーマンスをして安全性をアピールした話を紹介しました。

同じことをオゾンでやると死に至ります。

毒性のあるオゾンが上空で危険から守ってくれて、安全なフロンが上空でオゾンを破壊する、なんだか不思議な関係になってます。

オゾンの管理濃度

オゾンに毒性があると言っても、空気にもオゾンが含まれていまし、電気製品でオゾンが発生することもあります。

猛毒だと言っても、濃度が薄ければ人体にはほとんど影響ないのです。

日本ではオゾンの作業環境基準は 0.1ppmとされています。

これは、オゾンを取り扱う仕事に携わって、1日8時間、毎日吸い続けても大丈夫とされている濃度なので、0.1ppm以下であればオゾンの害を心配する必要はないでしょう。

この濃度なら匂いがするので、匂わなければ大丈夫だということです。

オゾンの利用

オゾン発生装置

オゾンは、細菌、ウィルス、においの元などを分解するので、殺菌や脱臭にも利用されています。

最近では水道水の殺菌にも使われていますし、病院やホテルの除菌、脱臭にも使われています。

病室やビジネスホテルに入ったとき、変わった匂いを嗅いだ経験がある人も多いと思います。

あれがオゾン臭です。

オゾン発生装置

最近、殺菌や脱臭を目的とした家庭用のオゾン発生装置が販売されています。

オゾンは殺菌効果や脱臭効果が高いのは事実です。

ただ、濃度が高くなると人体にも悪影響が出るので、狭く密閉した部屋で利用することは避けましょう。

国民生活センターでもオゾンは人体に有害であり、家庭用のオゾン発生器であっても、狭い場所では高濃度になり危険であることを注意喚起しています。

家庭用オゾン発生器の安全性 - 国民生活センター(pdf)

家庭用オゾン発生器の安全基準はまだ定められていませんので、利用する場合は個人で安全を確保しなければなりません。

オゾン臭を感じたら、換気することをお勧めします。

オゾン発生装置の仕組み、原理

市販されているオゾン発生装置は、空気に放電させることでオゾンを発生させる仕組みになっています。

私たちの周りの空気には、約20%の酸素が含まれているので、紫外線や放電があると、オゾンが発生します

と書いた通りです。

放電というのは、空気にマイナスの電荷をもった電子をぶつけるということです。

ですから、オゾン以外に「マイナスの電荷をもった何か」が発生します(電荷は消えてなくならないので)。

ちまたでは、「マイナスの電荷をもった何か」のことを「マイナスイオン」と呼んでいるそうです。

よく知らないのですが、空気に放電する装置が「マイナスイオン発生装置」と呼ばれて販売されていたことがあるとのことです。

オゾン発生装置

オゾン発生装置は無声放電という音がしない放電方法を使っています。マイナスイオン発生装置と呼ばれていたものはコロナ放電という方法を使ったものが主だったようです。

オゾン水

オゾンを水に溶かしたオゾン水の利用も増えているようです。

食品の除菌、手洗い、脱臭などに、家庭用のオゾン水生成装置も市販されています。

オゾン水の殺菌効果は非常に高いですし、最終的には分解されて酸素になるので排水を汚染することもありません

ただ、オゾンは水にあまり溶けないので、少しずつ気体のオゾンが発生します。

濃度が高くなると危険ですので、取り扱いには十分気をつけましょう。

とにかく、オゾン臭を感じたら換気するよう心掛けてください。

関連記事:フロンとは何か? オゾン層を破壊した夢の化学物質

光触媒とは何か?効果や原理をわかりやすく説明してみた